ごあいさつ

リタ市民アセット財団は、寿光院(東京都江戸川区)と見樹院(東京都文京区)が所有する複数のアセットを、公益的な活動団体に提供してきた取り組みを基盤としています。この取り組みより形成された市民ネットワークを、より持続可能なものとするために、2024年11月に財団法人の設立をいたしました。多くの方から財団設立のためにご寄付をいただきましたことに心よりお礼申し上げます。

社会が抱える多くの問題に対して、行政のサービスだけでは行き届かないことがたくさんあります。地域で生活する市民だからこそそのことに気づき、できることを市民自らが実践しています。江戸川区でも多くの団体(NPO、NGO、任意団体など)が活動しています。

しかし、これらの活動を立ち上げ継続することは簡単ではありません。活動拠点や運営資金など、多くのハードルを乗り越えてようやく実現できるのです。江戸川区で活動している団体が寿光院の所有する土地や建物を利用できたこと、それはひとえに住職個人としての考え方や思いに依るものでした。

1997年に、私が所属する江戸川・生活者ネットワークが寿光院の所有する事務所に移転しましたが、ドア1つで隣にさまざまな団体が事務所を置く小松川市民ファームがありました。その中で「NGO大学」を立ち上げ、それぞれの団体が取り組んでいる活動や事業について共有する場を作りました。地域に根差した環境、福祉や子ども支援の活動からグローバルな人権問題に取り組む活動まで幅広く存在し、その背景には重要な社会問題があることを知り、互いに連携することで解決できることがあるとも実感しました。

2002年には、高齢社会の問題に取り組む「NPO法人ほっとコミュニティえどがわ」の設立に関わり、2004年に寿光院の土地を借りて、大勢の方々から資金集めに協力していただき高齢者のための共同の住まい「ほっと館」を開設しました。屋上には「NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」が「市民立発電所」「えど・そら」の太陽光パネルを設置しました。高齢社会の取り組みが環境問題の取り組みともつながっています。

リタ市民アセット財団は「人と人」「人と地域」のつながりを大事にし、市民が主体となる地域のアセット(土地・建物・資産など)の「社会的な活用」をサポートし、持続可能な未来をつくることをめざします。


一般財団法人 リタ 市民アセット財団
代表理事 藤居 阿紀子